はじめに
最近のブームで、勉強や運動などを普段やらない人がやるようになるためには「習慣化」が大切だと言われています。 ただし、習慣化には最低でも3ヶ月の時間がかかることや、その苦労の割に簡単なきっかけで習慣がなくなってしまうというデメリットもあります。 ここでは、習慣化ではなくて、もっと強力な(ゆる〜い)依存にしてみてはどうかということをお話しします。
習慣化のデメリット
習慣化とは、筋トレや勉強などの動作を一定期間続けることにより、生活の中で当たり前の存在にすることです。 習慣の例として「歯磨き」が挙げられます。つまり、毎日歯磨きをするように勉強をするようになれるのが習慣化ですね。
ここで思い出して欲しいのですが、多くの大学生は受験勉強を乗り越えて大学生になっています。 ほとんどの方が習慣的に勉強をして受験を突破しているでしょう。社会人の勉強とは比べ物にならないほど勉強しています。 その期間も3ヶ月とかではなく年単位です。
しかし、大学に入学した大学生を見てみると(私の大学時代を振り返ってみても)、受験時代と同じように習慣的に勉強している人は非常にわずかです。 なぜでしょうか?一度習慣になったものは歯磨きのように毎日しないのでしょうか?
答えは、「習慣化は脆い」という点にあります。 習慣化はダイエットや受験のように何か目的があって、さらに時間なども決めることによって成り立ちます。 目的を失い、バイトやサークルで時間もなくなったらあっという間に勉強しなくなるんですね。 私はダイエットのためにランニングを始め、ある程度習慣になってきたのですが、梅雨の長雨でやらなくなり、習慣ではなくなってしまいました。
結論、習慣化は習慣にするのがそもそも難しく、しかも簡単なきっかけですぐに習慣でなくなってしまいます。
依存化のメリット
なぜ習慣化はこんなにも脆いのでしょうか? それは、習慣化は「普段の生活を変化の少ないものにしようとする」力だけが頼りになっているからです。 勉強を習慣化にできた後は、「勉強をしない」という変化を起こさせないように脳が働きます。 しかし、大学入学などにより勉強をしない日々を過ごすと、今度は「勉強する」という変化を起こさせないように脳が働きます。
それに比べて、依存はもっとずっと強力です。 依存は脳の快楽物質(ドーパミンやアドレナリン)によって引き起こされます。 例えばタバコを吸うと、ニコチンが体内に吸収され、脳に届き、ドーパミンという快楽を感じさせる物質を放出させるように働きます。 簡単にいうとタバコを吸うだけで「気持ちいい」と感じるようになるのです。不思議ですね。
脳は気持ちいいことが起きると、何がそうさせたのか分析し、また同じ行動を取ろうとします。
タバコを吸う->気持ちいい->タバコを吸ったからだ! ->タバコを吸う回路が強化->タバコを吸いたい!
依存化はこの仕組みを使って勉強やダイエットを自発的に取り組むようにしたものです。
依存化は期間的にも短くてすみますし、自発的にやりたい!と思うようになるので、習慣化のように脆いものではありません。
依存の仕方
では実際にどうやって特定の行動を依存化するのでしょうか? こちらが1番の問題ですね。
習慣化は頑張って繰り返すだけでいいですが、依存化は脳に気持ちいいと感じてもらわなければなりません。 意図的に依存化するのは難しいですが、最近では依存のビジネス利用が増えてきたため、どのようにすれば依存化するのか明らかになりつつあります。 依存化には6つの要素を意識するようにしましょう。
- 細かい目標設定
RPGのクエストのように、「魔王を倒す!」というでかい目標1つではなく、 「~の街へ行く」「xxと会う」「中ボスYYを倒す」のように細かい目標をいくつも設定します 勉強だと「数学で80点」ではなく「三角関数の公式を覚える」「問題集10ページまでを周回」のように分けます
- ランダムな報酬
決められた報酬(勉強したらおやつ)ではなく、報酬がない時もあったり、大きな報酬があったりと、ランダムにすると ワクワク感が出て楽しいです。 これはずばりパチンコなどのギャンブルと同じです。
- 進歩の実感
こちらもRPGのレベルアップシステムのように、「確かに進んでいる感じ」を出すような仕組みを導入します 自分自身に数学レベル、理科レベル、英語レベルを設定して、勉強した時間に応じてレベルアップするようなゲームを してみるのも面白いですね
- 難易度のエスカレーター
いつまでも簡単なことをするのではなく、飽きないようにレベルに応じて難しいことに挑戦していきます。
- クリフハンガー(ドラマのように続きが気になる時に止める)
アニメやドラマを次々と見たくて止まらなくなるのは多くの方が経験されていると思います。 同じように、問題集で勉強をし、頑張っても解けなかった問題の解説を読まずに寝るなどの方法が効果的です。 次の日に勉強を始めるきっかけとなってくれます。
クリフハンガーは恋愛などにも応用されていて、例えば最初のデートを早めに切り上げると、物足りなくてまた会いたくなる。 あるいは、会った時に、続きが気になる話をして、結論を言う前に話をやめて別れるという方法があります。
- 他者との関わり(SNSなどの承認や競い合い)
人間は社会的な生物で、一人で生活すると非常にストレスを感じるようにできています。 勉強だと勉強時間や進捗を競い合ったり、友達を勝手にライバルにし、テストの点数で競ったりすると効果的です。
習慣化の本だと部分的にこれらを取り入れているもの物有りますね。 人によってハマる物が異なるため、依存化する固定した方法はありませんが、ここで紹介した6つの要素を使って いい方法を見つけてみて下さい。